弔い

弔いの場で故人を悼み、献げられる花や物品があります。そのことが最近気になります。

先般、日本の元首相や、英国女王の国葬について盛んに報道され、多くの人々が献花に訪れる様子を目にしました。また、事件や事故によって悲しくも命を失った人を悼み、現場に献げられている沢山の花や物品の様子もしばしばニュース番組で目にします。

故人を偲び、哀悼の心から、お花や物品を献げたいという気持ちは充分に理解できますし、亡き人への哀悼の心は持つべきでありましょう。

しかし、あの大量の花やお菓子、ジュースなどは、その後どうなるのでしょうか?その事が妙に気になるのです。

おそらく、関係者のどなたかが担当となって片付けるのでしょうが、花も物品もすべて廃棄するのでしょうか?そうだとすれば、花を覆う包装を外すこと一つでも大変な手間な上に、それ以外の物品の分別も必要でしょう。そして相当量の廃棄物が生まれてしまいます。

故人の為に何かしてあげたいという心は温かく尊いものです。
しかし、その心を形に表した後のことについても、一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?

私たちには、「合掌」「礼拝」という行いがあります。手を合わせ、頭を下げ、大切な方を想うことのできる大切な行いです。

心を込めて、しばし合掌、礼拝する。その後、哀悼の想いと共に献げた品は持ち帰るということも選択肢の一つとして考えてみても良いのではないでしょうか。