挨拶

 先頃、町内の子どもたちの登校を見守る交通補導の役があたり、通学路に立っていました。自分から「おはようございます」と元気よく挨拶できる子、こちらから声をかけると挨拶する子、素通りしていく子、子どもたちの様子はそれぞれ違いましたが、やはり大きな声で挨拶できると気持ちが良いものです。挨拶できなかった子は、「どうしたのかな?体調が良くないのかな?」と心配になります。

 挨拶は、もともと仏教の禅の教えで用いられていた言葉だそうです。「挨」も「拶」も、「押す・迫る」という意味があり、群衆が他を押しのけて進む様子を表し、それを禅では、相手の悟りの浅深をはかるために「問答をしかけること」の意味に用いたそうです。それが転じて、応答や返礼などの意味に用いられるようになり、出遭いや別れのときの言葉や動作のことを一般に「挨拶」と言うようになったそうです。

 人間は一人だけで生きているのではなく、他の人との交流があって生活が成り立っていきます。その時に、お互いに相手の存在を認めあっていく最初の行動が「挨拶」です。

 挨拶は社会生活の基本になるとても大切なものだと言えますので、子どもたちには、ぜひこれからも元気よく挨拶できるように育っていってほしいと思いますし、ともすれば子どもより挨拶できない大人に出会うことがありますが、私たち大人も挨拶の大切さを改めて考えてみなくてはいけませんね。